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子育てコラム-健康
子育てにまつわるテーマについて専門家の方からのリレーコラムです。
【予防接種について】
 冬の気配を感じる季節となりました。風邪など引かぬよう予防に気をつけることが大切です。現代は治療よりも予防の時代です。インフルエンザの予防接種については、以前述べたことがありますので、今回はその他の予防接種について書いてみたいと思います。

 赤ちゃんが生まれてから次々と受けなくてはいけない予防接種。一体何から受ければいいの?と戸惑われることもあるでしょう。そこで標準的な予防接種の受け方を述べてみたいと思います。
 生まれてから3ヶ月になると、まずできればBCGを受けましょう。BCGというのは結核の予防接種です。平成17年の4月から結核予防法が変わり、6ヶ月までに受けなくてはいけなくなります。4月に6ヶ月になる赤ちゃんはすでに公費で受けられなくなるので、まだ受けていない方は急いで受けましょう。赤ちゃんが結核にかかると重症となり、結核性の髄膜炎や粟粒結核をおこすことがあります。それを予防するためにもできるだけ早く受けることをお勧めします。ただBCGというのは、皮膚に弱毒にした菌をうえつけるので、アトピーなどの皮膚炎があると受けることができません。皮膚の状態をよくしてから受けて下さい。
 次に受けておいた方がよいのが、ポリオです。ポリオというのは小児麻痺のことで、ワクチンは経口で接種します。そのためウイルスが便から排泄されるため、1年に2回程度、集団で接種している自治体が多いと思います。現在は生ワクチンですが、2回受ける必要があります。1歳までにできれば1回はすませておくのがよいでしょう。
 それがすむと、できれば1歳までに三種混合を受けましょう。これはジフテリア、破傷風、百日咳の混合ワクチンです。特に赤ちゃんにとって大切なのは百日咳で、赤ちゃんが百日咳にかかると致死的になることがあります。ジフテリアや破傷風なども滅多に診られる病気ではありませんが、かかると致死的です。初回接種は3~8週間隔で三回受けなくてはいけません。そして1年から1年半後に追加接種を受けることとなっています。小学校6年で二種混合の追加接種もありますが、基礎免疫をつけておかないとこれも受けられなくなりますので、是非受けておかれることをお勧めします。
 1歳になると必ず麻疹の予防接種をできるだけはやく受けましょう。麻疹はかかると高熱が続き、合併症が多く比較的重症になりやすい疾患です。毎年20~30人の死亡例も報告されており、先進国の中では日本は麻疹後進国と言われています。世界中では年間100万人以上の子供たちが麻疹およびその合併症で死亡しており、麻疹をなくすためにはみんなが予防接種をすることが大切です。麻疹の予防接種の副反応は15~20%で発熱などが出現するといわれていますが、麻疹に罹患することの大変さと比べれば、決して高い頻度とはいえません。
 そして2~3歳までに風疹の予防接種をします。風疹は子供の時にかかるとそれほど重篤な病気とはいえませんが、妊婦がかかると先天性風疹症候群の子供が生まれて来る可能性があります。風疹をなくすためには男の子も女の子もワクチンを受けておく必要があるのです。
 3歳を過ぎたら日本脳炎の予防接種です。日本脳炎の予防接種は受けないといけませんかという質問を時々されますが、国内でも日本脳炎の発症は年間数人はみられ、東南アジアなどにはまだ流行している地域があります。海外から病気が輸入される可能性や海外に渡航する頻度もますますふえるでしょうから、受けておくことをお勧めします。
 そのほかには、任意接種ですが、おたふくかぜと水痘の予防接種があります。どちらも接種率は20~30%ほどといわれていますが、うける時期としては集団に入る前頃がいいでしょう。おたふくかぜは自然にかかったほうがいいと思っておられる方もおられますが、おたふくかぜにかかると2~10%に髄膜炎が合併したり15000人に1人の割合で不可逆性の難聴をおこすことがあります。ワクチンで獲得した免疫は低下する可能性がありますが、現在ほどの流行があればウイルスの暴露により免疫は維持できるといわれています。

 以上のようにワクチンの受け方を書いてみましたが、状況により順番が入れ替わることは十分に考えられますので、かかりつけ医とよく相談のうえ、進めていってください。
 病気にかからないようにするという予防医学の考え方を幅広く推し進めることが、今後ますます大切になってくるのですから・・・。
2004.11

小児科医 杉原加寿子先生 プロフィール
1957年1月21日生まれ。中学生と小学生の2男の母で、尼崎で杉原小児科内科医院を開業する。育児支援と保育所問題について特に関心があり、尼崎市医師会乳幼児保健委員会で活動する。