今年もまた暑い夏がやって来ました。夏には夏風邪などで高い熱を出したり、下痢をしたりすることがよくありますよね。それに子供の具合が悪くなるのは夜間や休日のことが多く、すぐに病院に走るべきかどうか迷う事も多いと思います。
そんな時に急に慌てなくていいように、家庭でできる最初の対処法すなわちプライマリーケアーについてお話しようと思います。子供の様子が“いつもと違う”ということを一番よくわかっているのはお母さんですから、子供の様子をよく見極めて慌てずに対処しましょう。
まず一番多いのが“発熱”だと思うのですが、急に40度くらいの熱が出て子供がぐったりしてしまうとびっくりしてしまいますよね。でも“熱が高い”というだけで脳がやられてしまうという事はありませんので、慌てなくても大丈夫です。夜間なら、ひきつけたりするような事がなければ、水分を十分に与え、少し冷やしてあげるのもいいですし、安静にさせて様子を見て下さい。
解熱剤の使い方についてもいろいろな考え方があると思いますが、最近は熱があるからといって、必ずしも下げないといけないとは考えられていません。病気と闘うために体が発熱しているわけですし、解熱剤は病気を治すための薬ではありませんから、十分水分が摂れるようでしたら使わなくても構いません。ただ38.5度を超えて高熱のために水分摂取もままならなかったり、しんどくて眠れないというような時は使うといいと思います。
それと、昔のように、“熱が出たらお布団をたくさんかぶって汗を出して熱を下げる”というような事は逆効果ですから、お部屋の温度は過ごしやすい温度に保つことも大切です。
万が一ひきつけを起こしてしまった時も、熱性けいれんの場合は数分でおさまることがほとんどですから、慌てて体をゆすったり口の中に指や箸などを入れないようにしましょう。
できれば痙攣が起こった時間を確認し、楽な姿勢をとらせ、嘔吐をしたときに吐いたものがのどに詰まったりしないよう少し横向きに寝かせてあげて下さい。でももし、10分以上痙攣が続いたり、一旦おさまった痙攣がまた起こるようでしたら、必ず救急で受診する事をお勧めします。
次に嘔吐についてですが、夏でも冬でもウイルス性の胃腸炎で突然に吐き始めることはよくあることです。強い吐き気のある時はしばらく何も飲まさずに様子を見て、少し吐き気が落ち着いたようならイオン水やお茶などを少量飲ませて見て下さい。この時注意しないといけない事は一度にたくさん飲ませない事です。
大量に飲むとまた嘔吐を誘発してしまうので、少量ずつこまめに飲ませてあげて下さい。そうして十分に水分が摂れるようになってから消化の良い物を食べさせてあげて下さい。固形物を摂るとまた嘔吐することもあるので、あせらずに水分摂取を心がけることが大切です。乳製品やポタージュなどは脂肪やタンパク質の多い食べ物ですから、嘔吐の時には控えるほうがよいと思います。
しかしそれでも吐き気がおさまらず、顔色が悪いときや、唇が乾いて尿が出ない時は、脱水症状の徴候ですから早めに診療を受けるようにしましょう。
下痢の時もやはり水分摂取に努めることが大切です。母乳の赤ちゃんは母乳が一番良い食べ物ですし、ミルクの赤ちゃんはミルクを薄めに作ってあげて下さい。
そして食事についても離乳食を後戻りする要領でやわらかく消化の良い食べ物を摂るようにしましょう。下痢の時何を食べたらよいかと質問されることがよくありますが、おかゆや煮込んだうどんなどが下痢のときの一般的な食べ物ですし、便の固さと同じくらいの柔らかさを目安にするといいと言われています。
家庭での対処法についていくつか述べてきましたが、元気だからといっても症状が続くときは必ず受診してください。お薬が必要な時もありますし、素人判断は危険なときもあるからです。
お母さんの“なんかいつもと違う”という直感が一番大切ですが、たかをくくるのもいけません。不安があるときはなんでもかかりつけ医に相談なさることをお勧めします。
2005.7 |