子育てコラム コープこうべネット > みんなで子育てTop > 子育てコラム > 健康
子どもとの関わり
遊び・絵本
安全
ライフスタイル
健康
子どもの肥満
日射病・熱射病
子どもの歯を大切にしよう
ムシ歯予防について
子どもの靴の選び方
(小児科の先生のお話)
夏を乗り切るための小児科医のお話
インフルエンザについて小児科医のお話
予防接種について
アレルギーと花粉症
家庭におけるプライマリーケア
誤飲について
初めての冬
予防接種について(PART2)
話題の感染症
低身長について
夜間の訴え~幼児期の成長痛
(歯医者さんのお話)
歯科的健康から見た「母乳を飲む動作」の重要性
キシリトールは虫歯の救世主?
日本人の食性から「食」を考える
歯ぎしりする子、元気な子
育てる歯並びと整える歯並び
(耳鼻科の先生のお話)
子どものいびき
中耳炎
(神経内科の先生のお話)
うつについて
子どもがストレスを感じているとき
(皮膚科の先生のお話)
夏に多い子供の皮膚病
(泌尿器科の先生のお話)
妊娠、出産前後の尿失禁
(産婦人科の先生のお話)
出産後の月経再開について
(眼科の先生のお話)
子どもの視力低下~近視について~
(助産師さんのお話)
おっぱいは、そのカップル(お母さんと赤ちゃん)のもの
子どもが泣いて困るとき~赤ちゃん編~
胎内記憶~赤ちゃんはお腹にいた時のことを覚えている?!
(薬剤師さんのお話)
お薬の飲ませ方
子育てコラム-健康
子育てにまつわるテーマについて専門家の方からのリレーコラムです。
【誤飲について】
 今回は誤飲について書くことにします。
 日本では靴を脱いで生活する関係上、一般家庭では、乳幼児の手の届くところに様々な生活用品が置いてあり、 誤飲事故を誘発する原因になっていると思われます。誤飲は1歳から5歳までの乳幼児に多く、 その95%はタバコ、防虫剤、洗剤などの家庭用品と家庭で使用する医薬品などです。 2歳までの乳幼児は、食べ物とそれ以外のものをはっきりと区別することができないだけでなく、 なんでも口に持って行って確かめるという性質もあり、誤飲を引き起こし易い状況にあります。 ただ、口に入れて妙な味がすると摂取するのを中止する事が多いので、重大事故になることは さほど多くないとも言われています。
 誤飲をしたということで受診することが多いのは、一番はなんといってもたばこです。 お父さんやお母さんがたばこを口に持って行っておいしそうにしている様子を見ている子供にすれば、 いったいどんな物なんだろうと興味津々でしょう。机の上にたばこの箱や灰皿が置きっぱなしになっていれば、 手にとって口に入れて確かめてみたくなるのも当然ですね。でも実際、たばこの葉というのは そうおいしいものではなく、たくさん食べてしまうことはそう多くはないと思います。 逆にたばこの吸い殻が浸してあった水にはニコチンが浸みだしており、それを口にすることの方が危険ですので、 注意が必要です。たばこは1本食べれば致死量といわれていますので、とにかく子供の手の届くところには 置かないよう気をつけなくてはいけません。万一食べてしまった場合は、家庭ではまず口の中に指をつっこんで 吐かせ、それから受診して下さい。
 次に多いものが、洗剤・化粧品・医薬品などと言われています。しかし、いずれも大量に摂取することは 難しく、重篤な中毒になることは少ないと思われます。洗剤類の中毒症状としては嘔吐・顔色不良・下痢などの 消化器症状が中心となりますが、舐めた程度でしたらほとんど心配はいりません。万一ある程度の量を摂取した場合は、 消化器粘膜への刺激を和らげるため、ミルクや牛乳・水などを飲ませ胃内の中毒物の濃度を下げることが大切です。 その後必ず医療機関にご相談下さい。
 小さいおもちゃや硬貨などを誤飲することもよくあります。基本的に金属類はレントゲン写真で体内にあることを 確認することができますが、プラスチックやビニール類はレントゲンでは確認できません。 誤飲したかどうかはっきりしない場合は、子供の様子が変わりなければ、飲み込んだ物が出てくるかどうか、 数日間は便を注意して見てあげて下さい。喉を通って胃の中に落ちてしまったものは、大抵は便から排泄されるのが ふつうですので…。しかしボタン電池など消化管の粘膜を腐食する恐れのあるものは、早急に対応する必要が あるので、必ず医療機関を受診して下さい。
 食べ物にも注意が必要です。よくいわれるのは豆類ですが、これは知らない間に気管に入ってしまい 無気肺を起こすことがあるからです。一般的には幼児に豆類を食べさせるのは避けた方が賢明だと思います。 また、飴なども結構よく飲み込んでしまい、子供がびっくりして泣き出すことがあります。 大抵は飲み込んだ後なので大事に至ることはないのですが、子供本人にとっては恐ろしい体験となるので、 幼児に飴を与えるときにも注意が必要です。もちろん気管に詰めると窒息の原因になるわけですから、 危険はどんな所にも潜んでいます。
 その他にもいろいろなものが誤飲の対象となります。中毒については、中毒110番など電話で対応してくれる 機関もありますので、そのような情報を知っておくことも大切です。しかし、誤飲を予防するには保護者の努力が 一番大切です。まず家庭の中で何が危険かを知ること、そしてその危険な物は必ず子供の手の届く所には置かないこと 等です。危険な場所、危険な物に対して子供がどういう行動をとる可能性があるかを、想像力を働かせて予防するのは、 保護者としての責任にちがいないのですから…。今一度身の回りを見回して、危険はないかを探してみてくださいね。
2005.9

小児科医 杉原加寿子先生 プロフィール
1957年1月21日生まれ。中学生と小学生の2男の母で、尼崎で杉原小児科内科医院を開業する。育児支援と保育所問題について特に関心があり、尼崎市医師会乳幼児保健委員会で活動する。