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子育てにまつわるテーマについて専門家の方からのリレーコラムです。
【子どもの肥満】
肥満の医学的治療に力を注いでいますので、これまでに高校生~成人を中心に多数治療してきました。
子ども、つまり小学生のお子さんでも、親御さんが肥満治療をして欲しいと言って連れて来られる場合がけっこうあります。 実際に肥満の小学生を何人か見てきましたが、結論を先に言えば、これは治療の必要はありません。
もちろん「病的な肥満」、たとえば代謝異常であるとか、若年性の糖尿病であるとか、本当になんらかの病気が原因で 極度の肥満をきたしている「ごく少数」の患者さんを除いて、太り過ぎの子供たちの原因は「過食と偏食」なのです。
では、なぜ食べ過ぎているのか。これは経験で分かったのですが、驚いたことに太り過ぎの子どもたちの大多数が、 祖父母に面倒を見てもらっている子です。お爺ちゃんお婆ちゃんは、孫に「残さず全部食べなさい」と教えます。 食料難の時代を乗り越えてきた方々ですから、食べ物を残すなどもってのほかの行為です。
子ども、特に小学生の頃はたいていが胃下垂といって、胃がおヘソよりも下の方に下垂していますので、 大人のように一度にたくさん食べるのは無理な場合が多いのです。そこに、出されたものは全部食べなさいと無理強いされると、 頑張って食べるので胃がどんどん拡張します。運動量や代謝量に比べて明らかに過量の食事をとってしまうように 胃袋を「改造」されてしまうのです。
だから私は、医学的に説明をして、子どもは一度にたくさん食べられないものだから無理強いせずに、 その子どもにあった食事の量をとるように話しています。食事の適量がわからなければ、少しずつ盛り、 おかわりをするぐらいからはじめてみるのもいいかもしれません。外食など個々の対応をお願いすることが難しい場合は、 体のことを優先し「お腹がいっぱいになれば残してもいい」といってあげることも必要です。 子どもさんの食事量を冷静に観察してみて下さい。それだけで子供の肥満はある程度治ります。
2006.3
松本浩彦先生 プロフィール
医療法人 社団 甲南回生 松本クリニック院長 日本体育協会公認スポーツドクター
昭和35年、神戸市灘区生まれ。平成11年4月、家庭の総合医としての地域医療をめざし独立開業。クリニックのコンセプトは「街のコンビニクリニック」。 専門は消化器外科、心臓血管外科だが、0歳の小児から100歳を超える高齢者まで分け隔てなく、プライマリー・ケア(初期治療)に重点を置いた総合診療科をめざす。 また美容外科、美容皮膚科の分野でも常に最新の機器と技術を導入し、精力的に診療や学会活動を行っている。