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子育てにまつわるテーマについて専門家の方からのリレーコラムです。
| 【予防接種について(PART2)】 |
以前に予防接種についてのコラムを書きましたが、それ以降予防接種が変わっていますので、改めて変更部分について書いてみます。
まずこの4月から大きく変わったのが、麻疹・風疹混合ワクチンが始まったことです。これをMRワクチンといいますが、
麻疹ワクチン・風疹ワクチンと別々に接種していたものを、一度に接種し、しかも1歳から2歳のあいだに1回(1期)、
また就学前の1年の間にもう1回(2期)と、2回接種するようになったのです。つまり、この新制度の対象者は、
麻疹ワクチン・風疹ワクチンのいずれも接種していない1歳から2歳未満の子供さんということになります。
そのために、例えば“麻疹ワクチンは1歳ですませたけれど風疹ワクチンは7歳半までに受ければいいから”
とまだ受けていなかった人は、風疹の単独ワクチンは公費では受けられなくなりました。麻疹ワクチンについても同様で、
麻疹ワクチンも風疹ワクチンも単独ワクチンについては任意接種となったために、いずれか一方をまだ受けていなかった人は
自費での接種になります。しかし、自治体によって異なりますが、旧制度下で麻疹あるいは風疹の単独ワクチンの
いずれか一方を未接種の人でも、1歳から2歳になるまでの間なら、公費で残りの一方の単独ワクチンを受けられるという
措置をとっているところもありますので、必ずお子さんの住民票のある自治体にご確認ください。また、麻疹も風疹もいずれのワクチンも
受けていなかった年長さん(就学前の1年間)については、MRワクチンの2期が受けられますので注意してください。
また日本脳炎ワクチンについても、2005年5月30日付けで積極的勧奨の差し控えということで厚生労働省からの通達があり、
現在も中止の状況が続いています。突然中止の決定が成された理由は、マウスの脳を用いて製造された今までの日本脳炎ワクチンと、
それを接種した後に発症した重症の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)との因果関係がみとめられたため、ということになっています。
そのため組織培養法による新しいワクチンが開発されるまでは接種の再開はしないという状況です。
それ以前に受けていたワクチンが途中で中断されたままになっている人もたくさんおられるでしょうが、
今後どのような措置がとられるかはまだ何もわかっていません。近い将来には再開されることと思いますが、
その時期がいつごろになるかもわかりません。ただ、日本脳炎の流行している地域に旅行する場合は、
同意書に署名したうえで接種することはできます。
さて前回のコラムでも書きましたが、2005年4月からBCGについても大きく変更がありましたし、今回述べてきたような
大きな変更が次々と決定され、戸惑っているお母さん方も多いと思います。私たち小児科医にとっても変更は突然で、
最近の予防接種行政については、十分な広報もなされないまま実行に移されるため、救済されないままの未接種のお子さんが
増えてしまうという状況です。しかし今後、救済措置についてはさらに変更もあり得ますので、また注意が必要です。
子供たちの健康を守る大切な予防接種ですので、行政からの広報等にいつも関心を持ち見守ってほしいと思います。
2006.4 |
| 小児科医 杉原加寿子先生 プロフィール |
| 1957年1月21日生まれ。高校生と小学生の2男の母で、尼崎で杉原小児科内科医院を開業する。育児支援と保育所問題について特に関心があり、尼崎市医師会乳幼児保健委員会で活動する。 |
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