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わるテーマについて専門家の方からのリレーコラムです。
【中耳炎】
急性中耳炎は、6才以下の子どもに多い病気です。原因は、鼻の奥と中耳を結ぶ耳管が短く太く、しかも殆ど水平に位置しているので、 鼻に膿汁が溜まると簡単に中耳にばい菌が侵入してしまい発病します。更に4才からは、アデノイドという上咽頭(鼻の奥)にある 扁桃組織(アデノイド)が生理的に肥大して、雑菌の住家になり、中耳炎をおこし易くなります。6才を過ぎると、アデノイドは小さくなり、 しかも、体が育って耳管が長く細くなり、角度が水平から角度がついて、殺菌の侵入が難しくなります。 幼稚園時代にあんなに繰り返した中耳炎に小学生は嘘のようにならなくなります。
鼓膜切開は、抗生物質が無い頃は膿みが脳に入って死んでしまうことがあったので、かなり実施されていました。 薬が発達した現在でも痛みが強い、熱が高い、中耳圧が高くなって、吐いたりぐったりした時等は、切開すると直ちに症状は軽くなります。 そこまで進んでいなければ、切開しなくても抗生剤と鎮痛剤で殆どは治ります。
ただし、鼻がきれいにならないと治療が遅れて、痛みは無いものの聴力が落ちてしまう滲出性中耳炎 (中耳内に滲出液が溜まってしまい鼓膜の振動が起こりにくくなる)になってしまうこともあります。これは、保護者が注意深く見ていれば、 テレビの音が大きい、返事が遅い等で気づくものです。本人が訴えることは殆どありません。子どもは本来の聞こえがどんなものか理解していないからです。
繰り返し中耳炎を起こす場合は、耳鼻咽喉科で痛み止めを余分にもらっておくことです。中耳炎の多くは夜間に起こります。 痛くて泣く子どもに親も子も睡眠不足になってしまいます。そんな時、鎮痛剤を飲ませれば、朝まで眠ってくれて家族も眠れ助かります。
耳に水が入ると中耳炎になると思っている方もおります。抗生剤の無かった時代には、急性中耳炎で腫れた鼓膜が破れて耳だれが長く続き、 鼓膜に穴が残ってしまうことがありました。そこへ汚れた水が入れば、中耳炎が起こった事もあるでしょうが、現在のように医療が進んでいると、 免疫力が特に弱い子ども以外は鼓膜に穴が残ることは殆ど無く、水が入っても心配ありません。
最近、赤ん坊の入浴時に、耳アカを掃除する親が増えています。小さな耳の穴に綿棒を突っ込むなど無謀です。取れるより押し込む危険が多いと思われます。 耳アカで病気は起こりませんから、耳鼻咽喉科へ行く機会があれば、ついでに取ってもらいましょう。
2007.1
岡野安雅先生 プロフィール
昭和41年日本大学医学部卒業。京都大学医学部耳鼻咽喉科、神戸海星病院耳鼻咽喉科部長、米国ピッツバーク大学留学、ハザマ病院副院長、 城西歯科大学耳鼻科助教授を経て、現在、神戸市東灘区で岡野耳鼻咽喉科を開業。