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子育てにまつわるテーマについて専門家の方からのリレーコラムです。
【妊娠、出産前後の尿失禁】
妊娠出産だけにかかわらず、女性の尿失禁はかなり高頻度で見られるといわれています。しかし、私の二十数年の診療活動においては、 感染症、結石、腫瘍(男性の前立腺肥大症も含む)、男性不妊症などが圧倒的に多いのに比べると尿失禁の患者様の数はそれほど多くありません。 尿失禁が見られても実際医者にかかる方は氷山の一角に過ぎず、実は潜在的な患者様はかなりいらっしゃるのではないかと考えられます。
尿失禁は次の3つに分類されます。
1.腹圧性尿失禁:咳、くしゃみ重いものを持ったとき、歩いたときなど腹圧がかかるときに尿が漏れるタイプ。
2.切迫性尿失禁:尿意があると待ったがきかない。我慢できずに漏れるタイプ。膀胱の神経のコントロールに問題があります。
3.混合性尿失禁:1と2の混合するタイプ
この中で今回問題の妊娠出産に関係する女性の尿失禁の大半は1のタイプです。妊娠、出産を経て骨盤低筋肉群が脆弱化したために起こります。 その治療法としてまず行われるのは理学療法(骨盤底筋訓練、電気刺激など)ついで、薬物療法、それでも効果が不十分なら手術療法、があります。
骨盤低筋肉群を鍛えるトレーニングは手軽に毎日短時間で行えますが、根気良く続ける必要があります。電気刺激等は週数回通院する必要がありますが、苦痛や副作用もほとんどなく受けることができますので気軽に相談してください。
尿失禁があっても受診しない方は「恥ずかしい」、「どこに行ってよいかわからない」、などさまざまな理由があると思いますが、泌尿器科専門医を一度受診するようにしてください。
2007.2
岡本恭行先生 プロフィール
医療法人社団三聖会三聖病院理事長(神戸市中央区 JR三宮駅北側)
医学博士
日本泌尿器科学会専門医、指導医
s58年大阪医大卒。神戸大学医学部付属病院、六甲病院、社会保険神戸中央病院 医長、三田市民病院医長、姫路赤十字病院副部長を経て、現職。
平成7年、日本不妊学会学術奨励賞受賞。