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「産後、月経はいつ頃始まるのですか?」、「授乳している間、月経は始まらないのですか?」という質問を、産後のお母さん方からよく受けます。今回はこの問題について考えてみたいと思います。
妊娠していない場合、月経の調節には、卵巣を刺激するゴナドトロピンとよばれるホルモン(脳の下垂体と呼ばれる部分から分泌されます)が重要な働きをしています。妊娠が成立し胎盤が完成すると、卵胞ホルモンや黄体ホルモンといったいわゆる女性ホルモンが胎盤から大量に分泌され、その影響でゴナドトロピンの分泌は抑えられます。分娩が終了し胎盤が娩出すると、この抑制状態が解除されるため、再びゴナドトロピンによって卵巣が刺激されるようになり、月経が再開されます。
また、分娩後に母乳を分泌させるプロラクチンというホルモンにも、卵巣の機能を抑制する働きがあります。そのため、授乳を行っている人の方が、行っていない人に比べて、月経の再開が遅れる傾向にあります。
それでは、実際には、産後どれぐらいで月経が再開するのでしょうか?この問題を考える上で参考になる、ふたつの研究報告を紹介します。
まずひとつは、アメリカでの研究です。全員、産後約1年(49週)までには月経が再開しましたが、授乳の有無でみると、授乳を行っている人は、月経の再開が明らかに遅れていました。つまり、授乳を行っていない人は全員、産後3ヶ月(12週)までに月経が再開しましたが、行っている人は、産後3ヶ月(12週)までに月経が再開したのは20%にすぎませんでした。また、排卵までの平均日数も、授乳を行っていない人は約1ヵ月半(45日)、行っている人は約6ヶ月(189日)と、明らかな差が認められました。さらに、これも重要なことですが、授乳の有無に拘らず、約70%の人で、初回月経が再開する前に排卵が認められました。
次はオーストラリアの研究ですが、それによると、授乳を行っている人では、月経再開までの平均日数は約9ヶ月半(289日)、6ヶ月以内に排卵する人は20%以下、6ヶ月以内に月経の再開する人は25%以下であった、と報告されています。
このような報告を参考にした場合、授乳を行っていない人で産後3〜4ヶ月、授乳を行っている人では産後10〜12ヶ月を、月経再開のひとつの目安と考えていいのではないかと思います。また昔から経験的に、授乳している間は妊娠しないといわれてきましたが、上記のように、授乳の有無に拘らず月経が再開する前に排卵が起こることも多く、授乳しているからといって妊娠しないということはありません。したがって、この期間を超えて無月経が続く場合には、一度婦人科を受診される方がよいと思われます。
2007.4
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