お正月といえば何を思い出すでしょうか?
家族総出の大掃除のなんとなく慌ただしい年末の風景。その日だけは夜更かしの許される大晦日の除夜の鐘と年越しそば。細く長くと家族の幸せを願うひと時。そして、一変した新年の独特の雰囲気。年賀状、おせち料理、お年玉・・
我が家では暮れになると何日もかけて黒豆を炊き、お屠蘇(とそ)を作って正月の準備をしていました。煮しめを作る母の横できんとん用の芋の裏ごしをしたり、ねじりこんにゃくや花形人参を作ったり、大掃除で窓拭きをしたりするのが私たち兄妹の役割でした。年末の買い出しについて行き、母と一緒にしめ飾りやおせちの材料を選び、重い荷物を持って帰る。しんどかったけど楽しい思い出です。自分が家族の中で役に立っている存在感を感じていたからかもしれません。
「黒豆はまめに暮らすことを願い、お屠蘇は年少者から順に飲み、年長のものはその若さにあやかり一家の無病息災を願う」なんてうんちくをおじいちゃんが教えてくれたり・・
文化の伝承は形を伝えるだけでなく、人のつながりが欠かせないような気がします。
今の時代、元日からお店も開いていますから、おせち料理やお屠蘇など用意しない家庭も増えているようです。けれど、町の中には門松やおせち料理、鏡餅や初もうでなど、まだまだ年末年始ならではの風景が見られるはずです。
お正月を思い出すとき、そこにあるのはあたたかい思い出や家族のやすらぎ。先祖から代々受け継がれてきた命の大切さを再確認し感謝し、自分が大切にされていることを感じる時間。少なくともそれだけは子どもたちに伝えていきたいものです。
伝統の中には子どもたちに伝えていきたいいろいろな「心」が詰まっている気がします。無理しなくてもかまいません。できる範囲で子どもたちと年末年始のいろいろについて語らい、家族の一員として役割を持たせてみてはいかがでしょうか。
2007.12
|